『紛争地の看護師』 白川優子著

病気・医療

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favicons?domain=yomidr.yomiuri.co ヨミドクター 2018.10.04 UPDATE

イラク、シリア、南スーダン、パレスチナ……。世界各地で医療・人道援助活動を行う民間組織「国境なき医師団」の看護師として、世界の紛争地で医療活動に携わってきた著者が、見たことや感じたことを生々しく描いた。地雷や空爆で傷ついた人が次々と手術室に運ばれてくる。寝る暇もなく、体力を削りながら治療にあたる。「同じ人間として、医療を求めて泣いている人々の痛みや苦しみを見過ごすことはできない」という。

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酒匂 赤人

国立国際医療研究センター国府台病院総合内科医師 公衆衛生学修士

僕もこの本は読みましたが、中東やアフリカの紛争地で数々の試練にあい、よく無事に切り抜けてきたなと思いました。決して無茶をしているわけではなく、十分に調査し、調整し、準備はしているのですが、それでも紛争地では万全は難しいのだと思います。

白川さんはこの本に限らず、紛争地での経験をテレビや新聞で伝えてきているので、気づかずに見たこと・読んだことがある方はいるかもしれません。国境なき医師団では単に医療を提供して命を救うことだけでなく、証言活動も重視しています。紛争地、難民キャンプ、自然災害などの場にはジャーナリストが入るのが難しいこともあり、実態が伝わらないこともあります。白川さんが看護師よりもジャーナリストとして活動すべきか悩む場面が出てきます。

遠いところで起きていることで、平和な日本とはかけはなれた状況で、自分たちの生活にはほとんど関係ないようなことかもしれません。支援活動に参加することや寄付をすることも大事ですが、知ってもらうこと、関心をもってもらうこと、忘れないでもらうことも、現地で苦しんでいる人や、現地で活動する人にとっても、大事なサポートと感じられると思います。

国境なき医師団のホームページには白川さんの記事がいろいろあるのでよければどうぞ。
「シリア:ラッカ市民の苦しみは今も。MSFの日本人看護師が呼びかけること」
http://www.msf.or.jp/news/detail/voice_3584.html

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