骨盤を前に押すイメージで反らす 腰痛予防「これだけ体操」
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朝日新聞デジタル(アピタル) 2016.03.18 UPDATE
(2016年3月1日 朝日新聞デジタル(アピタル)より) 腰痛を予防し、治療にも役立つとして、東京大医学部付属病院22世紀医療センターの松平浩・特任准教授が提唱している「これだけ体操」の具体的な方法と注意点などを解説します。 足を肩幅よりも少し広めに開き、両手をお尻にあてて、息を吐きながら骨盤を前に押し込み、ベルトのあるあたりを折り返すようなイメージで反らすそうです。介護施設の職員を対象とした研究で、これだけ体操を実施した人たちで腰痛の改善効果が認められたといいます。
腰痛予防のための「これだけ体操」。かなりダイレクトなネーミングですね。両手をお尻にあてて、息を吐きながら骨盤を前に押し込み、ベルトのあるあたりを折り返すようなイメージで反らすと良いそうです。この体操を提唱しているのは、東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの松平浩・特任准教授です。介護施設の職員を対象とした研究で、これだけ体操を実施した人たちで腰痛の改善効果が認められた、と記事にありましたので調べてみました。おそらく原典はこちら。
Matsudaira et al. Can standing back extension exercise improve or prevent low back pain in Japanese care workers? J Man Manip Ther. 2015 Sep;23(4):205-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26917938
抄録しか確認しておりませんが、非ランダム化比較試験による検証結果なので、エビデンスレベルとしては十分に高いとは言えません。しかし、わたしも腰痛(ヘルニア)持ちなので、紹介されている体操をしてみると、確かに気持ちいい。腰痛持ちの方、是非、お試しあれ。
ちなみに最近、腰痛予防に対するシステマティックレビューとメタ解析という、エビデンスレベルの高い研究結果が報告されています。
Steffens et al. Prevention of Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Intern Med. 2016 Feb 1;176(2):199-208.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26752509
6133件の研究から、23件の論文が採択され、そこに含まれる21件のランダム化比較試験の参加者30,850人が解析対象となっています。その結果、運動と教育をあわせておこなうと腰痛のリスクが45%減少し、運動単独では35%の腰痛リスク減少にとどまるそうです。なぜその体操が腰痛の改善につながるのか、理論的に理解した上で体操をおこなうと、効果が高まると考えられます。
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中田由夫
筑波大学 体育系 准教授 博士(体育科学)
補足します。以下、記事本文にありますが、
「これだけ体操を避けたほうがいい人もいます。『腰を反らしたとき、お尻から太もも、ひざに痛みが響く場合、神経に問題がある可能性があるので、整形外科医に相談してください』。松平さんはそうアドバイスします。 」
この時点で「これだけ体操」にはなりませんが、腰を反らすストレッチは座位仕事が多いような腰を曲げている時間や仕事が多い方には有効と思われます。逆に、立位や歩行が多い方には、腰を曲げるストレッチの方が有効かもしれません。
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