高樹沙耶容疑者逮捕で遠のく医療用大麻の合法化

病気・医療

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favicons?domain=gooday.nikkei.co 日経Gooday(グッデイ) 2016.11.10 UPDATE

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大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕された元女優の高樹沙耶容疑者が、参院選に立候補した際に、公約に「医療用大麻の合法化」を掲げていたことをご記憶の方も少なくないだろう。彼女が逮捕された今となっては、「クスリ好きの世迷い言」と片付けられてしまうかもしれない。だが、医療用大麻の合法化は、実は国際的な潮流となっているのが現実なのだ。

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尾瀬功

愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部 主任研究員 医師 博士(医学)

 医療用大麻の解禁を目指していた女優が逮捕されたことで、医療用大麻に関する記事が増えています。医療者は大麻解禁に消極的な人がほとんどですが、その理由を解説します。

 医薬品の開発は単純に効果と副作用の大きさによって決まります。どこの国でも大麻より厳しく取り締まられているモルヒネ(麻薬)は世界中で広くがんの痛みの治療に使われています。これは、モルヒネの痛みを抑える効果がとても強いので、なんとか実用化できないかと研究され、副作用を避ける方法が確立されたからです。今では知識のある医師が適切に処方すれば安全に使用でき、多くの患者さんを痛みから救っています。
 麻薬であるモルヒネですら効果があれば認められているので、もしも仮に大麻に既存の医薬品を上回る効果があるとか、効果が同じぐらいでも副作用が大幅に少ないなどのメリットがあるなら、使用をためらう医療者はほとんどいないでしょうし、なにより医薬品メーカーがそんな儲けのタネを見逃すはずがありません。大麻が古くから知られている割に、医療で実用化されていないのは、単純に効果が弱いからでしょう。

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