臍帯血、無届けで投与 がん治療など 11医療機関に停止命令
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Yahoo!ニュース 2017.07.02 UPDATE
厚生労働省は28日、他人の臍帯血(さいたいけつ)を使った再生医療を無届けで行っていたとして、再生医療安全性確保法違反で、東京、大阪、福岡の医療機関計11カ所に再生医療の一時停止を命じたことを発表した。健康被害の情報はないが、厚労省は「保健衛生上の危害の発生や拡大を防止する必要があると判断した」としている。
こっそり人体実験をしていた医療機関に厚労省が停止命令を出したという記事です。
医薬品は安全性と有効性が証明されたものだけが、人に投与することが許されます。白血病などの臍帯血移植は有効性が確認されていますが、その他の病気に対しては有効性も安全性も証明されていません。
新薬については、人に投与する前に基礎研究や動物実験などのデータをしっかり検討します。そのうえで科学者だけでなく、人文科学や倫理の専門家も交えて人に使うことの是非を検討します。それで認められたものだけが臨床試験という形で限られた人だけに使ってデータを取ることが許されます。もちろん、患者さんには実用化前の治療であること、有効性は期待されているだけで証明されていないこと、未知の副作用などデメリットがあり得ることを全部隠さず説明したうえで同意が得られた患者さんだけが臨床試験の対象になります。そのデータを解析して、安全かつ有効なものだけが医薬品として認可されます。
こうした段階を踏まずに人間の体内に何か入れるのは人の道に外れる行為、いわゆる人体実験と変わらないことです。また、直接患者さんの健康被害につながるだけでなく、新たな治療の開発を遅らせることにもなります。そのため、こうした悪質な医療モドキを行う人たちを厚労省はしっかり取り締まっていただきたいですね。
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