座り続けると脳の記憶機能に悪影響! 認知症の原因は運動不足よりも座ること?

健康・予防

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favicons?domain=healthpress HealthPress 2018.06.04 UPDATE

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元カノや元カレをめぐる恋愛観の男女差をよく「男はフォルダ保存し、女は上書き保存する」なんて言い方で括ったりする――。しかし、今回紹介する最新知見の示唆に関しては、男性も女性も一緒、つまり、脳への悪影響は同じようだ。  『PLOSONE』(4月12日オンライン版)に掲載された研究報告によると、常日頃から「座った姿勢」で長時間を過ごす人の場合、新たな記憶の形成に重要な役目をしめる「脳領域の皮質」が薄い傾向が判明したと、不可視な脳内環境の格差を伝えている。

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菊池宏幸

東京医科大学公衆衛生学分野 講師

「健康情報の見極め方講座」で例題として使えそうな、典型的な問題記事だと思いました。

記事の出典となった論文(http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0195549)によると、この研究は35人を対象に行われた横断研究のようです。横断研究では、「座りすぎ」と「認知機能」を同時に調査するため、「座りすぎている人は認知機能が低い」という関連は分かるものの、「座りすぎているから、認知機能が低くなる」のか、「認知機能が低くなった結果、座りすぎるようになったのか」のかの因果関係は、この研究からは区別できません。

認知機能と運動の関係については、既に別の研究(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1365-2796.2010.02281.x)で因果関係が強く示されています。この研究はメタアナリシスと呼ばれるもので、15研究のべ33000人余りのデータを統合して解析しています。この大規模な研究において「身体活動が少ない者は、将来認知機能が低下しやすい」と結論付けています。

このことから考えると、「運動不足が真の原因ではなく、座ること自体が諸悪の根源かも」なんてことは、まず言えないですね。

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