自分の病名も薬の名前も知らない…患者が賢くならなければいけない理由
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ヨミドクター 2018.07.21 UPDATE
眼科の中でも、私の専門とする神経眼科や心療眼科は、全身病との関連や全身薬の影響を考えなければならないことが多くなります。 高血圧、糖尿病などの循環系の病気と眼球の病気、甲状腺などの内分泌の病気と神経眼科の病気は、それぞれ関連性が高いのです。 また、精神科、心療内科、神経内科に関わる病状や使用されている薬も、目の機能に関係が深いものです。
患者さんが、自身の既往歴や内服薬のことを知らないのは、患者さんのせいなのでしょうか。
「先生におまかせします」というパターナリスティックな医師患者関係が一般的だった時代、受診する患者自らが、自分の体のことを把握する、という土壌は育たなかったでしょう。むしろ、患者側が色々と質問することは好まれなかった時代です。
医療技術の進歩、治療の選択肢も広くなったこと、人権というものへの社会運動の高まりから、患者さんの意思を尊重するという流れ(「自律尊重」)が広がっています。でも長い医療の歴史を見れば、自律尊重が言われるようになったのはつい数十年です。
患者さんがくすりのことや自分の病名を知らないのは、患者さんが自分の健康問題を医師に丸投げしているから、とこの記事は言います。しかし、お任せ医療を提供してきた医療の在り方がそういう姿勢を生み出してきたと思いますし、その医療者側がそれを責めるのは若干筋違いであり、問題解決に至らないのではないでしょうか。
これからの時代、患者さんの意識を変えることが望ましいと考えるのなら、それを実現するのは我々医療者の責務です。診療時にわかりやすい説明をするのはもちろん、もっと広い視野から長い目でのアプローチ(教育や啓蒙活動)が必要だと、色々と考えさせられました。
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