奥原剛

大学病院医療情報ネットワーク研究センター　東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野　特任助教　MPH（公衆衛生専門職）

この研究は対象者がわずか６人で、その６人はアヤワスカに関する詳細な情報を与えられており、かつ、アヤワスカじゃないものを飲んだ人たちとの比較がありません。したがって、うつ症状の点数の低下のうち、どの程度がプラセボ効果なのかがわかりません。また、他の治療法との効果の比較もできません。ですので、記事の末尾の「辺境の地から解決の道が開かれないとも言えない」という消極的なまとめ方がナイスですね。

プラセボ効果は面白いです。錠剤の色で効果が変わるし、錠剤よりもカプセル薬や注射の方が効果が上がるし、薬が立派な箱に入っている方が効果が上がります。

さらには、ニセの手術で狭心症が改善したとか、心臓にペースメーカーを埋め込んだだけで、スイッチを入れなくても症状が改善したという報告もあります。

人間って、面白いですね。