トランス脂肪酸、日本でも禁止すべきか?
- 4,702
- 3
- 0
yomiDr(読売新聞) 2015.06.21 UPDATE
(2015年6月19日 yomiDr(読売新聞)より) 今日はトランス脂肪酸の使用がアメリカで2018年6月から禁止されるという記事についてです。 まず、あぶらには、常温で液体のあぶら(油)と固体のあぶら(脂)があります。これをまとめて油脂と呼んでおり、この油脂は脂肪酸とグリセリンからできています。この油脂やコレステロールをあわせて脂質と呼んでいるのです。「脂質代謝異常」などという病名に出てくる脂質です。脂肪酸は炭素の原子が鎖状に繋つながったもので、炭素の二重結合がない飽和脂肪酸と、二重結合がある不飽和脂肪酸に分類できます。グリセリンに3個の脂肪酸がついたものがトリアシルグリセロールと呼ばれ、健康診断などで測定される血液中の「中性脂肪」がこれにあたります。不飽和脂肪酸は二重結合のときの構造の違いでトランス型とシス型に分類されます。二重結合を挟んで酸素が同じ側についているものをシス型、反対側についているものをトランス型と呼びます。
以前、こちらの記事『水分補給はコレで決まり!夏の不調に効く健康茶3選』で中田由夫先生が「「なにがいいですか?」と聞かれたときに、「なんでもいい」と答える勇気が必要と思うときがあります」とコメントされていましたが、この記事ではトランス脂肪酸の禁止について「どちらでもいい」と答えています。村の長老みたいな力の抜けた語り口が独特です。反対に、こちらの記事『マーガリンやマヨネーズは使わない?自宅でできる「トランス脂肪酸対策」とは(Mocosukuより)』が「海外で規制されているものを進んで摂取したいとは思わないですよね」という前提で話しているのも、対照的で面白いです。健康情報と付き合うスタンスとして、この記事の最後の「生きていくということは、危険の中で過ごすこと」という前提での「個人の自由」は、これもまた力の抜けた素敵な考え方だと思います。
送信完了
いいね!しているユーザー一覧
コメント編集
この著者による他の記事
アクセスランキング
この記事へのコメント