雜賀智也

薬剤師、メディカルライター、MPH

大腸がんについては、ヘルスナッジでは、過去に何度も取り上げられていますね。
過去の記事も併せて読んでいただければ、理解が深まると思います。

http://healthnudge.jp/6204
http://healthnudge.jp/6077

さて、今回の記事では、主に大腸癌の症状について紹介しています。

特に下記に示す、排便の異常があるとしています。
大腸癌の早期発見には、日々の排便の状態を把握しておくことが重要です。
ですので、コメントでは「排便の異常」について、少し補則したいと思います。

○下痢と便秘を繰り返す
○便が細い
○おなかが張る
○血便が出る
○体重が減少する

血便は、大腸癌の代表的な症状です。がんから出血することによるものです。
大腸は、小腸側から盲腸、結腸、直腸からなり、肛門に通じています。この過程で便が作られます。
盲腸側（小腸側）では、便は液状に近く、肛門に近づくにつれて固形になっていきます。
このため、血便を見れば、出血が大腸のどのあたりであったのかが、だいたい分かります。
盲腸側ほど、便に血液が混じってしまい、全体的に黒っぽくなります。
肛門側ほど、鮮血に近い赤で、便表面に付着します。
肛門側では、痔と間違えることも多いです。
痔ではトイレットペーパーに付着したり、
ポタポタと垂れますが、大腸癌の症状とは異なります。

血便以外にも様々な症状が出ます。
腫瘍がある程度の大きさになると、大腸の内壁が狭くなるため、便が細くなります。
ウサギの糞のような便（兎糞便）になることもあるようです。

日々の排便の状態を意識的に確認するようにし、気になる症状が長く続く場合は、早めの受診を心掛けたほうがよいです。