便秘の人は循環器疾患で死亡するリスクが高い
- 5,586
- 5
- 0
日経Gooday(グッデイ) 2016.05.28 UPDATE
4日に1回以下しか排便しない人は、1日1回以上排便する人に比べて、脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患で死亡する危険性が約1.4倍になることが、東北大学大学院公衆衛生学分野の本藏賢治氏らが行った研究で分かりました。
心臓や脳の血管の病気と、便秘って全然関係なさそうに思えますが、非常に興味深い研究ですね。1994年に調査を行って、2008年まで追跡して、2016年に論文になるという、長期的な研究に関わってきた多くの人たちに頭が下がります。便秘の人は女性が多かったり高齢の人が多かったりしますが、高齢な人は当然脳卒中の死亡率は高いので、そういった影響も統計学的に考慮して、ちゃんと研究されています。
便秘が循環器疾患につながるメカニズムとしては、腸内細菌の変化が高血圧や動脈硬化と関連するとか、いきむことで血圧が上がったりすることが、過去の研究では示唆されているようです。
ただ今回の研究も便秘と循環器疾患の死亡には関係がありそうだということはいえますが、便秘のせいで循環器疾患になるとか、便秘を治療すれば循環器疾患の死亡を予防できるのかはわかりません。便秘にも循環器疾患にもなりやすい共通の食生活があるのかもしれませんし、便秘の人が飲む下剤の副作用で循環器疾患になりやすいのかもしれません(そんな副作用は特に知りませんのであくまでも例ですが)。今後いろいろな研究が続き、予防や治療につながる科学的根拠が出ることを期待します。
送信完了
いいね!しているユーザー一覧
コメント編集
この著者による他の記事
アクセスランキング
この記事へのコメント