子宮頸がん予防ワクチン?おやめになったほうがいい (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

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favicons?domain=headlines.yahoo.co Yahoo!ニュース 2017.04.24 UPDATE

【Q】娘に子宮頸がん予防ワクチンを受けさせたいと思っていましたが、副作用の問題を報道などで見ると怖くなりました。(50代女性)

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林 伸彦

英国 King’s College Hospital 胎児科 医師 NPO法人親子の未来を支える会 代表理事

エビデンスもモラルも心もない、悪記事と言わざるを得ません。

世界保健機関(WHO)の見解では、子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの感染予防に有効としています。そして、副作用と思われる事象についても検討され、現時点では因果関係はないとしています。情報は日々更新されるため、今後因果関係が示される可能性はあると思います。

特に日本においては、子宮頸がんワクチンの有効性・有害性については、長らく議論され続けています。
そのような状況なので、ワクチンを推奨するか否かは個人の価値観によってしかるべきだろうと思います。

よって、子宮頸がん予防ワクチンに対する反対意見に対する批判はできません。

しかし本来、正しい情報を社会に発信すべき医師・メディアが、客観的なデータを一つも示さずに、「おやめになった方がよろしい」という一医師の回答というスタイルで広く一般に情報発信したことは由々しき問題だと考えます。

全ての薬物・治療に、副作用はあります。副作用を起こしたと見受けられる患者さんに出会った時、臨床医としては大変辛い思いになるし価値観が変わるのは否めません。しかし「個人の経験」を元に行う医療は昔の医療であり推奨されていません。

潜在的な副作用とメリットを理解し、ワクチン接種年齢の方一人一人が納得して選択できるよう情報提供をするのが医療者・メディアの責務ではないでしょうか。

また、因果関係が示されていないとはいえ副作用報告がある以上、女性たちは「ある一定のリスク」を負いながらワクチン接種をしています。医療者がスタンスをはっきりさせること、そしてたとえ因果関係がなくても接種後の事象に対して保障を提供することなどで、「リスク」を減らすのが責務なのではないでしょうか。

子宮頸がん予防ワクチンに対する反対意見に対する批判はできませんが、客観的なデータを示さないまま、世界的コンセンサスに反する(それが女性たちの健康を損ねうる)記事を発信するのは、完全にモラルがないと言えます。


厚生労働省(子宮頸がん予防ワクチン)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/

WHOの子宮頸がんワクチンに関する安全声明
http://www.who.int/vaccine_safety/committee/GACVS_HPV_statement_17Dec2015.pdf

日本産科婦人科学会(子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)接種の勧奨再開を求める声明)
http://www.jsog.or.jp/statement/statement_150829.html

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