効き目ゼロ「難消化性デキストリン」が呼び起こした「怨嗟」と「矛盾」 (デイリー新潮)
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Yahoo!ニュース 2017.04.25 UPDATE
静岡県に住む46歳の男性会社員は、2012年に「ペプシスペシャル」が発売されて以来、なんと、1・5リットル入りのペットボトルを毎日飲み続けていた。夏場にはペットボトル2本を空にしてしまうこともあったというから、まさに“トクホコーラ漬け”の日々を送っていたわけだが、 「週刊新潮の記事を読んで、えーっ! と衝撃を受けました。騙された、と。だって、あれを読めば確かに効果ゼロなんだって分かるじゃないですか。愕然としましたし、怒りもこみ上げてきた。すぐにサントリーに電話しましたが、消費者庁から許可をもらっているので問題ありません、という対応で、余計に腹が立ちました」
原文はこちら:https://www.dailyshincho.jp/article/2017/04100600/
特定保健用食品(トクホ)に登録されている「難消化性デキストリン」に関する週刊新潮の記事です。その物質には期待される効果などないということが扱われています。細かなつっこみどころはありますが、指摘されているトクホの問題点については正しいと思います。
「難消化性デキストリン」は脂肪の吸収を妨げる効果が期待されている食物繊維のような物質です。その効果を支持しているのは1つの論文とのこと。問題として指摘されているのは、
1.効果を示したという論文は信用できない
2.同様の研究をしても再現性が得られていない
ということ。
どちらも妥当な指摘です。またその研究論文を書いたのがデキストリンを工業的に生産している企業の研究者ということも面白いですね。ただその研究に嘘があるのかというと本当のところはわかりません。たまたま良い研究成果が得られてしまったのかもしれません。
基本的に、トクホの登録に必要とされる「科学的根拠」は弱いです。食品会社が好きなように研究をし、或いは特定の研究グループを支援して、利益につながりそうな研究成果のみを選んでトクホに申請しても制度上は問題はありません。そのあたりのシステムがおかしいと考えるのがよいでしょう。
記事によれば、トクホの市場規模は約6400億円。大きな市場価値に目を向けて、企業利益につながり得る戦略を図るのは企業としては当然のように思います。
無駄に膨大なお金と時間をつぎ込んだ人の例が記事はありますが、残念ながら問題は制度にあるのであって企業ではないですね。トクホの制度も大規模に改訂されるべき段階と思います。ただ否定的になるのではなく、科学と企業、一般との関係を良くする機会と捉えたいです。
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