フレディ・マーキュリーの死 「不治の病」だったエイズの治療が劇的に進歩した理由
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AERA 2018.12.04 UPDATE
『戦国武将を診る』などの著書をもつ日本大学医学部・早川智教授は、歴史上の偉人たちがどのような病気を抱え、それによってどのように歴史が形づくられたことについて、独自の視点で分析。今回は、革新的な楽曲を世に送り出した伝説のバンド「クイーン」のヴォーカリスト、フレディ・マーキュリーを「診断」する。
クイーンをとりあげた映画「ボヘミアン・ラプソディ」がかなりヒットしていますね。僕自身は有名な曲は知っているけど、ファンというわけではないのですが、見に行ってみたらストーリーも音楽もかなりよかったです。
ちょっと過ぎてしまいましたが、毎年12月1日はWHO(世界保健機関)が世界エイズデーと定めています。一度基本的な知識をおさらいしてみてはいかがでしょうか。
http://api-net.jfap.or.jp/event/HivInsWeek/special2018/index.html
フレディ・マーキュリーはエイズで亡くなった最も有名な人の一人といってもいいと思います。これを機会にHIV/AIDSについても広く知られる機会になったらいいなと思います。映画にもエイズに関することが少し出てくるのですが、詳しく説明されているわけではないので、少し補足しておきます。
一つは今回取り上げた記事にもあるように、決して不治の病ではありません。糖尿病や高血圧の多くの方と同じように、ずっと薬を飲み続ける必要はありますが、飲んでいれば普通に暮らしていける病気になっています。
彼がHIVウイルスに感染した理由としては、ゲイで多数との性交渉があったためだと映画では示唆されています。昔はゲイ特有の病気と考えられていたこともあったくらいですが、性交渉により感染し、同性愛であれ異性愛者であれ、誰でも感染のリスクはあります。また注射の回し打ちも感染の原因になります。ドラッグをやっていたシーンはありましたが、薬物注射のシーンはありませんでした。母子感染、血液製剤の輸血による感染(主に血友病の患者さん)も主な感染ルートです。
彼がHIVに感染していることを仲間に告白し、抱き合うシーンがあります。握手しようが抱き合おうが決してうつりはしませんが、当時エイズは怖くて謎の病気、という感じだったので、患者と抱き合うのは結構ハードルは高かったと思います。偏見や誤解はかなり強かったと思いますし、今でもないわけではありません。以下の記事もよければどうぞ。
「普通に働けるのに、落とされることも…」根強く偏見が残るHIV・エイズ、就職差別も
https://blogos.com/article/342744/
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