安藤絵美子

大妻女子大学非常勤講師

女性にとってコンドームを用いない性行為は、感染症のリスクだけでなく望まない妊娠にもつながる、重要な問題。この研究では「うつ病がコンドームの非使用に影響」としていますが、記事の元になっている論文でも言及されているように、コンドームを使用しない（できない）要因（例：パートナーからのDV）とうつ病が関連しているかもしれず、一概に「うつ病が影響」とは言えないな、というのが私の意見です。で、その要因とは何か。例えば、行動経済学など医学ではない分野の研究では、うつ病をはじめとする精神疾患と「せっかちさ」はどうも関連があるらしい…などの知見が報告されて…などなどうつ病とコンドームの未使用を媒介する要因はいろいろ考えられそうです。これまでの研究も結果は一致していないようなので、もっといろんな人たちで、経年的な変化を追っていく研究がなされるのを期待しています。
日本でもこういった性の問題に一歩踏み込み、かついろんな人を調査対象にした研究が待たれます。（でもあまり回答してもらえないかな…）
そして、性の問題は、どちらか片方が気をつければ宵というのではなく両性の問題だというのも強調しておきたいところです！