【体力テスト結果で判明】8時間睡眠より「寝不足」の方がチカラは出る!?

睡眠

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favicons?domain=news.ameba アメーバニュース 2015.06.30 UPDATE

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(2015年06月28日 アメーバニュースより) 眠時間が少ないと、チカラが出ない、パフォーマンスが落ちる...そんなイメージになんとなく支配されている現代社会。 しかし、平均睡眠時間が4~5時間でも、仕事も遊びもバリバリ元気にこなしている人も中にはいる。 そこで文部科学省の平成25年度「体力・運動能力調査」データを使って、6歳から79歳までの男女の体力テスト結果から睡眠時間と運動能力の関係について調べてみることにした。

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奥原剛

大学病院医療情報ネットワーク研究センター 東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野 特任助教 MPH(公衆衛生専門職)

無味乾燥な統計数字から面白い記事をつくろうとする姿勢は尊敬しますが、誤解を招きそうな記事です。

障害物歩行、握力、反復横跳びなどで、睡眠時間が8時間以上の人よりも、6時間以下の人の方が成績が良いということで、「たくさん寝る人はドンくさいのか?」「寝すぎはチカラが湧かないのか?」と書いていますが、まず、この記事は6歳から79歳の全年齢を混ぜた平均値です。出典を確認すると、小学生では8時間以上、中学生では6~8時間寝ている子供で体力テストの結果が一番高いので、やはり子供はしっかり寝かせた方がよさそうですね。

「たくさん寝ていたはずなのに!! 疑問の尽きない結果である」と書いていますが、その疑問に対しては、「睡眠時間の長い人は、短い人に比べて、長く寝ている時間だけ身体活動量が少ないかもしれないから、体力・運動能力が低くなっている」という推測はできるかもしれません。

あと、睡眠時間の測定には、「ふだん何時間寝ていますか」などと尋ねる質問調査と、体に機械をつけて測定する方法とがありますが、文部科学省の「体力・運動能力調査」は質問調査です。

で、質問調査には、回答者が無意識のうちに実際とはズレた答えをしてしまう「バイアス」がつきものです。睡眠時間の質問調査の場合、健康状態のよくない人は、実際の睡眠時間よりも長い、あるいは短い睡眠時間を答える傾向があります。「体力・運動能力調査」でも、健康状態のよくない人が睡眠8時間以上のグループに多くいて、平均値を押し下げた可能性があります。

ならば、「8時間睡眠より「寝不足」の方がチカラは出る!?」という記事のタイトルはミスリードです。

ちなみに、テレビなどで「睡眠時間は7時間がベスト」と言われることがありますが、睡眠時間と死亡率の関係の研究結果は一貫していません。健康状態のよい人々が模範的な回答(つまり「7時間」と回答)をするので、7時間睡眠の人々が最も死亡率が低いのでは?という見方もあります。最適な睡眠時間は人それぞれ。自分にとって十分な睡眠をとりたいですね。
Sleep duration and all-cause mortality: a critical review of measurement and associations
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1047279713000926?np=y

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