【健百】手術中のBGMで安全性が低下? 手術時間が延長―英研究

病気・医療

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favicons?domain=kenko100 あなたの健康百科 2015.08.14 UPDATE

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(2015年08月12日 あなたの健康百科より) 手術中に音楽(BGM)を流すことは、患者だけでなく手術スタッフにも良い影響を与えるとされている。しかし、BGMによって手術中の安全性が脅かされる恐れがあることを、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)のシャロン=マリー・ウェルドン看護師らが、8月4日発行の看護専門誌「Journal of Advanced Nursing」(電子版)に報告した。BGMが妨げになって依頼を繰り返すことが増え、手術時間が延長したほか、手術チームのイライラも増加していたという。

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近藤尚己

東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者

手術中にBGMをかけることは日本でも日常的に行われています。記事では、良い面と悪い面があることを示唆するいくつかの研究結果が紹介されています。

今回明らかになった「悪い面」の可能性として、(音のせいで?)スタッフ間の指示や依頼の危機直しが5倍に増えることや、そのせいで手術時間が延長すること、意思疎通がうまくいかないため、スタッフのいらいらが高まることなどがわかりました。

一方、BGMをかけることの「よい面」として、医師の手技のスピードが上がるなどの可能性も示唆するデータがあるようです。

患者さんが覚醒した状態で、局部麻酔で行われる手術の場合、患者さんにとっても音楽があったほうがリラックスできる、という効果もあるようです。

手術といってもいろいろ。1日に何件も同じ手技の手術を繰り返すような場合もあるし、十数時間にもわたる大変な持久力が求められる手術もあります。手術はチーム作業のため、円滑なコミュニケーションとチームワークを維持する必要があります。チームメンバーは当然、常に全力で手術に臨んでいます。

ただ、そうはいっても、生身の人間です。手術室の環境やチームの「でき」によっては手術の結果がよくなったり悪くなったりするでしょう。チームの一人一人が、集中でき、円滑にコミュニケーションし、より良い結果が生まれるような環境の整備が必要です。

BGMもそういった環境の一つですから、単純に良い悪いと決定せず、「効果的な使い方」を探るべきかと思います。BGMの種類や音量などによっても効果が違うかもしれませんね。こういう研究が進んで、一定のガイドラインができるといいなと思います。

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