日本の糖尿病人口、世界ワースト9に―国際糖尿病連合調べ
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yomiDr(読売新聞) 2015.11.24 UPDATE
(2015年11月24日 yomiDr(読売新聞)より) 国際糖尿病連合(IDF)は11月14日の世界糖尿病デーに合わせ,世界の糖尿病の患者数や医療費などをまとめた「糖尿病アトラス第7版」の概要版を発表した。それによると、2015年の世界の糖尿病患者(20~79歳)は4億1,500万人で,昨年の3億8,700万人から2,830万人増加。国別のワーストランキングでは、日本が前回調査の10位から9位に上昇した。なお、アトラスの全文(英語版)は12月1日に公開予定としている。
国際糖尿病連合の発表した糖尿病アトラス第7版によると、日本の糖尿病人口は世界で9番目に多いとのことです。
元データはこちらです(英語)。
https://www.idf.org/sites/default/files/Atlas-poster-2014_EN.pdf
この推計では世界の成人の12人に1人は糖尿病とされています。(記事では11人に1人となっていますが、誤りでしょう)日本だけでなく世界での健康上の大問題であり、今以上に予防、早期発見、治療を進める必要があります。
ところで、記事中では糖尿病の多い国として、順に中国、インド、アメリカ、ブラジル、ロシア、メキシコ、インドネシア、エジプト、日本、バングラデシュが挙げられています。一般的に糖尿病は先進国で多いといわれていますが、この国の並びをみて気がつくことはありませんか?実は、国別人口ランキングと高い相関があります。
元データにある国の人口に占める糖尿病患者数の割合をみると、1位の中国(人口も1位)では9.3%、2位のインド(人口も2位)では8.6%と、世界平均(8.3%)とあまり変わりません。日本では7.6%と平均よりむしろ低いぐらいですが、9位になっているのは人口も世界で10位と多いためでしょう。逆に北中米の国々は10%を超える国がほとんどです。アジアの国々は欧米に比べて人口自体が大きいので、「数」のランキングでは上位にきますが、「割合」のランキングにすると全く違う姿が見えてきます。
こうしたデータを見るときには数と割合を常に比較しないと真実の姿は見えてきません。数か割合のどちらか片方のみを使った説明を見かけたときは、もう一方がどうなっているかを意識してみてください。
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