がん10年生存 部位で差…肝臓・乳 5年以降も検査重要

病気・医療

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favicons?domain=www.yomidr.yomiuri.co yomiDr(読売新聞) 2016.02.03 UPDATE

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(2016年1月21日 yomiDr(読売新聞)より) 全国32のがん専門病院で作る「全国がん(成人病)センター協議会」が20日、がん患者の10年生存率のデータをホームページで公表した。従来、5年生存が治癒したかどうかの一つの目安とされてきたが、肝臓がんや乳がんなど、がんの種類によっては、5年以降も生存率が下がることが初めて数字で裏付けられた。こうしたがんについては、定期的に検査を受けるなど、長期間の経過観察が重要だ。

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伊藤ゆり

大阪医科大学 研究支援センター 医療統計室 室長・准教授 博士(保健学)

全国のがん専門病院(がんセンター、成人病センターなど)により構成される全国がん(成人病)センター協議会のデータをもとに、このグループとしては初めてがん患者さんの10年生存率が報告されました。この研究グループは2000年代半ば頃から積極的に生存率に関する共同調査に取り組み、施設別生存率の公表にいち早く取り組んだグループです。

これまでこの研究グループは、がん患者さんの5年生存率を公表してきましたが、より長期に生存が可能となったがん患者さんからのニーズも高い、10年生存率を公表しました。Webでもがんの部位だけでなく年齢や病期(ステージ)の組み合わせの詳細な結果がグラフと表で公開されています。
https://kapweb.chiba-cancer-registry.org/

ただ、注意していただきたいのは、これは全国にある16のがん専門病院からのデータであり、全国のがん患者さんの生存率を代表する値ではありません。全国のがん診療拠点病院が400近くありますので、その中でもごく一部の病院のデータです。また、拠点病院やがん専門病院で治療を受ける患者さんは比較的進行していなかったり、合併症がなかったりする予後の良い患者さんが多く、平均的な値ではないことは知っておいて下さい。

地域で発生した全てのがん患者さんを対象とした生存率を調べることが出来るのは地域がん登録です。これまではいくつかの府県でしか実施できていませんでしたが、この1月からは全国で一斉に取り組むこととなりました。記事中にもあるように、全国がん登録のデータで10年生存率が報告されるまでにはまだまだ時間がかかります。しかし、昔から地域がん登録を行っているいくつかの信頼できる府県のデータで報告されている最新の10年生存率がありますので、偏りが少なく代表性の高いがん患者さんの長期生存率を知りたい方はそちらを参照して下さい。

国立がん研究センター:最新がん統計(一番下の方にあります。)
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

研究班(J-CANSIS)の冊子のダウンロード(部位別の詳細な表・グラフがあります。)
http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/data/data2/j-cansis.html

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