世界の「がん患者の5年生存率」国ごとに格差 生存率が高い国は?
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Health Press 2018.02.21 UPDATE
世界71カ国のがん患者約3750万人のデータを分析したところ、がん患者の生存率は世界的に上昇傾向にあるものの、この15年間の上昇率は国によって大きな格差があるとする「CONCORD-3研究」による論文が『The Lancet』1月31日オンライン版に発表された。 発表によれば、70カ国の300を超える施設から600人の研究者が参画した「CONCORD-3研究」は、2000~2014年に、71カ国で「がんと診断された成人と小児」の合計3751万3025人のデータに基づき、5年生存率を推定した。
世界各国のがん患者さんの生存率を集計し、比較することで、各国のがん医療の状況を評価しようという試みです。がんと診断されると、がん登録という仕組みで登録され、その後の状況をフォローアップすることで、がんの生存率が把握されます。この仕組みは全世界で共通の方法で行われているため、このような国際比較の調査研究が可能となります。
がんの生存率は診断されたときの進行度(がんの拡がり具合)の影響が大きいため、がん検診の実施状況や早期発見の仕組みがあるかどうかが各国の生存率の違いに反映されます。また、それだけでなく、治療へのアクセスなども要因と考えられます。今回の調査では診断時の進行度や詳細の治療情報は比較されていませんが、まず、国家間で差があるのかということ、また生存率が向上しているかどうかにも差があるのかということに着目し、それを報告することで、要因を見つめ直そうという試みです。
後半は日本のがん統計データに着目しています。がんの生存率だけでなく、診断されてから数年経ったサバイバーの方のその後の生存率についても紹介されています。がんが致命的な病気ではなくなりはじめて来ましたので、このような情報はがんサバイバーの方にとっても重要な情報です。以下のサイトでも紹介していますので、ご覧下さい。
http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/data/data2/leaflet.html
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