平均寿命だけがどんどん延びていったら……:朝日新聞デジタル
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朝日新聞デジタル(アピタル) 2016.03.04 UPDATE
(2016年3月4日 朝日新聞デジタル(アピタル)より) 昨年12月24日、平成25年(2013年)の「健康寿命」が発表されました。山梨県が男女ともに第1位となり、平成22年に1位だった静岡県(今回は2位)を抜きました。 偶然だと思いますが、富士山を境にして健康寿命を争っているというのも興味深いですね。ただ、1位の山梨県と静岡県の健康寿命の差は男性0.39 歳、女性でも0.17歳と、ごくわずかです。
健康寿命とは、「日常生活に制限のない期間」と定義される主観的な回答に基づく指標です。
さて、「日常生活に制限のない期間」とは、どのように決まるでしょう?
そして、どうしたら「日常生活に制限のない期間」をのばすことができるのでしょう?
多くの人が、「個人(高齢者)を元気にすればよい!」と考えるのではないでしょうか。
もちろんそれにより「日常生活に制限のない期間」はのびると思います。
全く異論はありません。
しかし、私はもう1つの方法が、もっと日本で広がればいいのにと思います。
それは、社会をより「日常生活に制限のない」社会にすることです。いわゆるバリアフリーです。
何をいまさら・・・と思われるかもしれません。
ここでお話ししたいことは、いわゆるバリアフリーのお話だけではありません。
例えば、車いすで移動している人がいるとします。
参加したいイベントに行こうとしたら、段差や階段があり通れない。困った。
このような経験があると、日常生活に制限があるなぁと感じるかもしれません。
古典的なバリアフリーの考えでは、段差をなくせばいい、とかそんな感じでしょうか。
同じように車いすを乗っている人が、スムーズにいきたいところに行けば、身体機能は何も変わっていなくても、「いや別に不自由ないよ」と思えるかもしれません。
これもとても大切なことだと思います。
さてバリアフリーとは、工事したりすることだけでしょうか?
ちょっと前から日本の建物もいわゆるバリアフリー化が広がっているように思います。
当たり前のように、「個々の建物はバリアフリーで」というようにその単語は使われます。
もはや日本語といってもいいでしょう。
しかし、現実社会では、様々な理由で、残念ながらすべての建物・環境が、物理的にバリアフリー化できていないと思います。
では社会の完全バリアフリー化は無理なのでしょうか?
私はそうではないと思います。
ソフトな意味での、バリアフリー化があってもいいと思います。
どういうことか?
そこに段差があっても、まわりにいる人が、手伝うことができればいいと思います。(もちろん段差はないにこしたことはありませんよ!)
例えば、車いすなら、大人二人いれば、ちょっとした段差くらいなら持ち上げることは、それほど難しくないように思います。
または、段差を回避できるルートを、まわりの人が教えてあげることも、ある意味ソフトな意味でのバリアフリーといえるのではないでしょうか。
知らない人・困っている人を、知っている人・助けてあげることができる人が気軽に助ける社会、そんな社会がいいなぁと思います。
なーに夢物語を語っているだよ、と感じる方もいるかもしれません。
私は夢物語とは思いません。
私が去年ボストンにいたころ、冬に大雪が降りました。
当時、私の子供はまだ小さく、保育園に行くために、雪がたくさんある歩道を、私がストローラー(ベビーカー)を大変そうに押していました。
すると、後ろからきた体つきの良いお兄さんが、ストローラーをひょいと持ち上げてくれて、雪のないところまでいっしょに運んでくれました。
最初はとてもびっくりしましたが、こういうときって、助けてもらったほうも、おそらく助けてあげたほうも、なんだか温かい気持ちになりませんか?
話を「日常生活に制限のない期間」に戻します。
上述のごとく、「日常生活に制限のない期間」の伸ばし方は、個人・社会・人間関係、いろんな方法があるように思います。
しかしどうもこの議論は、高齢者・要介護での個人レベルでの健康度の上昇!!などの議論で語られることが多いように思います。
国は、1億人総活躍を打ち出しています。
世の中には、高齢者・子育て中の人・妊娠中の人・車いすに乗っている人・松葉づえをついている人などなど、いろんな人がいます。
そういういろんな人が、楽しくハッピーにやりたいことをできる社会ってなんかよくないですか?
活躍の意味はよく分かりませんが、みんなが楽しくやりたいことを生き生きとやっているってことかなーと思います。
個人・社会・人間関係、いろんな意味でバリアフリーになれば、1億人が活躍できそうだなーと記事を読んでいて思いました。
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