筋力低下は早死を招く 中高年はダイエットより“握力強化”
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yahoo!ニュース 2016.06.03 UPDATE
健康診断をキッカケに「ダイエット」を決意した中高年も多いのではないか。しかし、中高年の安易なダイエットは知らず知らずのうちに全身の筋肉量の減少を招き、新たな病気やケガを呼び込むことになりかねない。ならば、定期的な握力計測で筋力をチェックしてはどうか。
「筋力低下は早死を招く」ってタイトルで「ドキッ」としますね。「中高年はダイエットより”握力強化”」で「そうか!」となりますかね?詳しい出典の記載はありませんが、研究論文を引用して論を展開していますので、信ぴょう性の高そうな記事です。しかし、実際には「言い過ぎ」なところがありますので、コメントします。
まず、「中高年が食事制限に頼る過激なダイエットをすると、筋力減少に拍車がかかる」という記述がありますが、おそらくここでは、「筋力」ではなく「筋量」を指していると思います。そして実際には、そこまで簡単に筋量が減ることはありません。もちろん、栄養バランスの偏った無理な食事制限ではそのリスクが高まりますが、栄養バランスに配慮した食事改善による体重減少では、そこまで顕著な筋量減少は認められません。
「握力は全身の筋力の代表的指標となり得る」とありますが、これは半分正解、半分どうかな?ってところです。久山町研究やランセットの論文が引用されているように、確かに握力は死亡リスクを予測する因子です。ただ、これは、「握力、脚筋力、背筋力などと比較して握力が死亡リスクを予測する」という意味ではなく、「さまざまな調査の中でいろんな体力測定をする時間はないけれど、握力なら簡単に計れるから計ってみたら、死亡リスクを予測した」という結果です。つまり、「計りやすいから計れた」のであって、「握力が最も重要」という意味ではないのです。
最後の一文、「大事なのは握力が衰えないような日常生活を送ること。握力を鍛えたからといって長生きするというものではない。」はい、その通り!!
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