歯科医が解説! 虫歯にならない歯磨きの回数とタイミングは?

健康・予防

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favicons?domain=headlines.yahoo.co yahoo!ニュース 2018.03.12 UPDATE

少し前まで、歯磨きの基本は「1日3回、食後3分間以内に、3分間のブラッシング」と言われていました。これは食事で汚れた歯をすぐに綺麗にすれば虫歯になりにくいという考えられていたためで、現在では誰にでもわかりやすい大変良い指導方法だとは思います。 しかし実はこれには少し矛盾もあるのです。食事による糖質を栄養にして、プラークが酸を出して活動が活発になり、歯が溶かされ始めるのは、「食後3分から」ではなく、「食事を開始して3分後から」というのが正解です。

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相田潤

東北大学 大学院歯学研究科 国際歯科保健学分野/臨床疫学統計支援室 准教授 歯科医師 博士(歯学) MPH

口の中の酸をめぐって、2つの病気、むし歯と酸蝕症(さんしょくしょう)、があります。むし歯は、細菌の出す酸で歯が溶けて、そこに力が加わることで穴があいて進行していきます。酸蝕症は、強い酸性の飲食物(炭酸飲料や果汁ジュース、レモンなど)を飲食しすぎたり、強い酸性の飲み物を飲んだ直後に、強い力で歯みがきをしたりすることで徐々に進んでいきます。そのため飲み物があたりやすい、上の前歯が酸蝕症になりやすいことが知られています。今回の記事では、むし歯と酸蝕症の2つのことが述べられています。酸蝕症については、炭酸飲料や果汁ジュースを飲んだ直後には強い力で歯みがきをしないこと、よく水で口をゆすいでから歯みがきをすることなどが必要でしょう。むし歯予防については、記事の中では「完全にプラークを除去しなければ」と、まるで歯みがきでプラークが完全に除去できるかのように書かれていますが、これは誤りです。みなさん、自分のことを振り返ってみると「歯みがきをしていたのにむし歯になった」ことはありませんか?欧米の教科書には当然のように書かれていますが「むし歯の8割は、歯ブラシの毛先が入らない細かい隙間から発生」しています。歯みがきはとても大切ですが(届く部分のむし歯予防や歯周病予防に歯みがきは重要です)、残念ながら歯ブラシが入り込めない隙間があります。歯ブラシの届かない場所のむし歯を予防するには、フッ化物の入った歯みがき粉(歯磨剤)などを利用することが大切です。酸蝕症の予防にもフッ化物は効果があるのではないかと言われています。2017年の日本の歯科医師国家試験には「齲蝕(むし歯)予防の効果でエビデンスレベルが最も高いのはどれか。1つ選べ。」という質問で「フッ化物の応用」を選ばせる問題が出されました。昔の教育ではフッ化物は教えられていませんでしたが、このように近年の歯科医学教育では、欧米と同様にフッ化物応用について教えられるようになっています。歯みがきは大事ですが、フッ化物応用も同じくらい欠かせないんですね。

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