炭水化物は悪者じゃない! 長生きのために適度な量をちゃんと取ろう
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Newsweek 2018.09.30 UPDATE
「低糖質ダイエット」という言葉を聞いたことはあるだろうか? 「糖質」という言葉から甘い砂糖をイメージしてしまいがちだが、炭水化物を指す。つまり低糖質ダイエットは、三大栄養素の「たんぱく質」「脂肪」「炭水化物」のうち炭水化物の摂取を抑えて体重を減らすというものだ。「白いご飯を食べるのをやめたらみるみる体重が減った」という経験談を聞いたこともあるのではないだろうか。 健康やダイエットの話になると何かと悪者扱いされることの多い炭水化物だが、ツヤツヤの白ご飯やパンや麺類などがどうしても嫌いになれない人には朗報だ。最新の調査で、炭水化物は取り過ぎもダメだが、少な過ぎても健康に良くないことがわかったのだ。
低糖質ダイエットがほかの方法より効果的とは言えない、ということは、以前こちらでもナッジさせていただきました。
http://healthnudge.jp/12016
そうはいっても、「低糖質」の食品を見かける機会があるということは、まだまだこの方法の効果に期待してしまう人が多いためかもしれません。
そんな中で、炭水化物(糖質はその一部)と死亡率を検討した長期的な研究によると、炭水化物が多くても少なくても死亡率が上昇するという結果が示されたそうです。
元論文はこちらですね。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30122560
アメリカ人を対象に行った大規模研究での結論に加えて、世界の他の地域でも研究も比べながら、丁寧に解析と考察がなされていると感じました。
以前、炭水化物が多すぎると死亡率が上昇するとの研究結果が別のグループから出されたこともあり、その解釈には注意が必要だと感じてこちらにナッジしました。
http://healthnudge.jp/12091
今回の研究の著者たちは、この炭水化物摂取量が多いと危険という以前の研究結果は、多めの人が多かったために示されただけで、少なめの場合のシミュレーションがうまくできていないのだろう、という考察もしてます。
日本人の食事摂取基準では、炭水化物から摂取するエネルギーは、全体の50~65%とすることを勧めています。
今回示された研究結果でも50~55%程度を勧めていて、結果はある程度一致しています。
低糖質にするべき人は、現在糖質からのエネルギー摂取量が70%以上になっている、多すぎる人だけで十分なのです。
低糖質食でたとえ短期的に体重が減ったとしても、それによって健康が損なわれては意味がありません。
それでも低糖質を勧めてくる人たちは、きっとご自分の著書をどうしても売りたい方なのでしょう。
情報の信頼性を見極めたいときに使える方法はこちらでナッジしたとおりです。
http://healthnudge.jp/12070
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