感染源不明者、行動を分析したら…… 小池知事が「夜の街」自粛要請した背景
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yahoo!ニュース 2020.03.31 UPDATE
新型コロナウイルスの厚生労働省クラスター対策班で国内の感染状況を分析する北海道大の西浦博教授は30日、東京都の小池百合子知事とともに記者会見し、都から提供を受けた前日(29日)までの感染患者データを基に分析したところ、「増加の兆候はあるが、爆発的増加ではない」と述べ、現時点ではオーバーシュート(爆発的患者の急増)に至っていないとの見解を示した。
3月30日午後8時半頃に開始した記者会見の内容に関する記事です。記者会見内容に忠実でよい記事と思います。感染病疫学は専門ではありませんが疫学的な考えとして一点のみコメントさせて頂きます。
"特に最近、『夜の街』、夜間から早朝にかけて(営業している)接待飲食業の場での感染者が東京都で多発していることが明らかになりつつある"
という見解についてです。私は、夜から早朝にかけて営業している場に足を運べる人は、
①都民である可能性が高く
②都の患者としてカウントされやすい
という傾向があるのではと懸念しています。この傾向のために、"東京都で確認できた感染者"の特徴として、夜に営業しているお店に足を運んだ人が多いという観察結果に至ると私は考えています。つまり、
・夜間営業しているお店で感染が多かった
ということに限らず
・夜間営業しているお店に足を運んだ人、働く人ほど感染者として認識されやすかった
という可能性もあるように思います。
そして都心から離れたところに住む人たちは、都内の様々な環境で感染していても今回の統計には含まれないという可能性を考えています。特定できた患者さんに詳細を聞き取るのは重要な調査ですが、どのように患者さんを特定したか・・まで含めて考える必要があります。しかし会見ではその情報は明白ではありませんでした。
そのために「都内の患者」をカウントする都合上、「感染者の特徴の判断」も偏ってしまう、見落としてしまうことも否定できないように思います。
私見として、夜間に営業をしている業種を強調することで一般における自粛要請の重要性が軽んじられるリスクを懸念しています(杞憂だとよいのですが)。一般の方々には、引き続き、必要でない外出は極力、避け続けてもらえたらと願うばかりです。都政側には今回のような調査の問題点の明確化、そして都とまわりの県との協働を期待しています。
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