暗示でダイエット、「高カロリーの食べ物が嫌いになる」と念じれば叶う、要するに食べたくなくなる
- 2,577
- 12
- 1
Medエッジ 2015.07.07 UPDATE
(2015年7月6日 Medエッジより) 高カロリーの手軽な食べ物が周りに溢れている。 そんな現代では、何を食べるかは大切。 手が伸びるのはカロリーの高い食品である場合も少なくないが、暗示をかけると、高カロリーの食品を避けて、うまくダイエットにつなげられる可能性もあるようだ。
ついに出ましたね~、この手の研究。
この研究は、心理学の無意識研究のプライミングという手法を使っています。プライミングは、本人には気づかない方法で、ある種のイメージを無意識に認知させることです。
この研究では、こんなことが行われました。
グループAの人々は、モニターで高カロリーの食べ物の絵のスライドショーを見ていきますが、0.02秒のほんの一瞬ずつ、食べ物とは無関係なネガティブな絵が挿入されています。
グループBの人々は、同様に低カロリーの食べ物の絵を見ていきますが、0.02秒のほんの一瞬ずつ、ポジティブな絵が挿入されています。
グループCの人々には、ニュートラルなイメージの絵を挿入します。
ネガティブな絵とは、ピザの上のゴキブリ、便所の嘔吐物、焼けただれた皮膚など。オオエーーっ。
ポジティブな絵は、子猫たち、微笑む赤ちゃん、花と蝶など。
その結果、高カロリーの食べ物にネガティブなイメージを植え付けたグループAでは、高カロリーの食べ物を食べたいと思う気持ちが減少したとのこと。わずか0.02秒にもかかわらず、です。
プライミングを使った研究は色々あります。有名なところでは、
●学生が乱文構成課題(5つの単語から4つの語を使って短文をつくる)をする。単語の中に高齢者に関する語が混ぜられていた学生は、その後の歩くスピードが遅い。
●ヘッドフォンでラジオの論説番組を聞く。首を縦に振りながら聞いていた人は、横に振りながら聞いていた人より、ラジオの論説に賛成した。
●乱文構成課題でお金に関する語を混ぜられていた学生は、その後のゲームで協調性が低い(同志社大学の及川昌典先生の研究)
私たちはいろんな場面で無意識の判断・行動をしているようです。
とはいえ、無意識に働きかける方法を健康促進活動に使うのは、倫理的な難しさがあります。
でも、そもそも企業の方には倫理なんてあるんでしょうか?
某ファストフードのチェーンの社長がテレビの取材で商品を並べ、「どうですか、この匂い! どんなに満腹でも食べたくなりますよ!」と自慢しているのを見たことがあります。アホか。
ジュース税、ジャンクフード税や砂糖税がオッケーならば、健康リスクのある食べ物のパッケージは黒無地や青無地を義務付けるなど、ありかもしれませんね。(ない?) カラムーチョの袋なんて美味しそうすぎません? 青無地の袋のカラムーチョだったら買う気が減じませんか?
その他、無意識に訴えるソフトな健康促進の方法なら、いろいろありそうですね。
送信完了
いいね!しているユーザー一覧
コメント編集
この著者による他の記事
アクセスランキング
Satomi Ikoma
この手の研究は気になります。大学院時代「病は気からを科学する。」がしたくて、イメージ心理学を専攻してました。そのメカニズムをひも解くのは難しいけど、証明できたら医学会にすごくインパクトがあると思うんですよね。もっともっとこの領域の研究が進むといいなぁ。
そして、詐欺まがいの療法を淘汰してほしい。
このコメントにいいね!する
4件