宿泊・飲食施設の分煙化を支援します!
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東京都庁 2015.08.06 UPDATE
( 2015年7月 東京都庁の公式ホームページより) 東京都では、外国人旅行者が快適に宿泊・飲食施設を利用できるよう、事業者が行う分煙環境の整備に対する補助事業を開始しますので、お知らせします。 本事業の実施にあたっては、分煙に関して技術的な知見を有する日本たばこ産業株式会社(JT)と事業実施協力に係る協定書を締結しました。JTは分煙コンサルタントの派遣(無料)等を実施します。
なんと!東京都は、タバコ産業のJTと連携して、分煙を支援すると発表しました。タバコ産業に偏ったありえない戦略です!
分煙にするよりも全面禁煙にした方が、職員も健康になり、売り上げも減らず、コストもかかりません(IARC Monograph 2009)。こういう情報は隠されているのです。分煙では、どうしても他の人に煙を吸わせてしまうことになります。タバコ産業側は全面禁煙にすると飲食店が潰れてしまうと主張していますが、そういった根拠もありません。彼らは根拠なく偏った情報を流布しています。だまされないように注意が必要です。
ただし、各飲食店や宿泊施設が独自に全面禁煙に踏み出すのは決断のいることと思いますので、国は全国一律に屋内空間の全面禁煙を義務化する法律を制定してほしいと考えています。分煙はゆくゆくは全面禁煙になっていくための経過措置として位置づけられるかもしれません。あまり大きな投資をして分煙をしてしまうと将来の負の遺産になってしまうかもしれません。
分煙では、”おもてなし”になりません。分煙ではなく全面禁煙が推進できるように、世論の啓発を図っていきたいと思っています。ひとりひとりの声がたいせつです。どうぞ、みなさん、ご協力を宜しくお願い致します。
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HANA
そっか。いい取組みしている・・なんて、安易に読んでしまいました。
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近藤尚己
東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者
飲食店の禁煙はオリンピックまでに達成できないと、大きく海外から批判を浴びそうです。先進諸国からの旅行者の多くは、「快適」かどうかではなく「健康を害する物質への曝露」という視点でたばこを見ていると思います。そもそものコンセプトで対策側と対象者とにギャップがあるように思います。
安全で健康な作業環境を提供することを義務付けている労働安全衛生法上も問題のはずです。従業員の受動喫煙に対してどう対応するつもりなのでしょうか。現状は、多くが小規模事業所で明確な管理の対象外となっていることで、うやむやにされているところですが、日本全体の重要者の数にしたら膨大です。厚生行政の観点から、明確に方針を決定していただきたいところです。
一方、飲食店の禁煙が進んでいるヨーロッパの国々に行くと、店先や入口の喫煙者らの煙がかなりモクモク、という現状があります。素敵な屋外のテラス席が喫煙OKとなっているのも残念な場合があります。欧米型の「施設内のみ禁煙でそのほかは野放し」戦略をそのまま採用するのでなく、日本独自で、施設単位でなく地域全体で吸える場所を明確にして受動喫煙を防止する、なんてコンセプトもありかなと思います。
ですので、私は「地域全体での”分煙”」なら賛成です。施設内での分煙は反対です。せっかくのおいしい料理が台無しです。
でも政府との利害関係が強烈(日本政府が大株主)で、国際的にも倫理的な批判の対象となっているJTと政府が組む、というのはやめたほうがいいと思います。無用な国際スキャンダルを起こしかねないのではと思います。
たばこの健康被害がなくなれば、平均寿命が2歳以上伸びると推計されています(Ikeda et. al, Lancet 2011)。オリンピックを契機にせめて環境対策はしっかり進めてほしいものです。
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