人工知能と位置情報で医療機関を紹介するアプリ
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日経デジタルヘルス 2015.08.27 UPDATE
(2015年8月26日 日経デジタルヘルスより) アイセイ薬局は2015年8月25日、受診科判定アプリ「SearchDr.(サーチドクター)」の無料提供をスタートした。利用者の「症状」や「ロケーション」に適した医療機関を紹介するアプリ。対応OSはiOS7.0以降。 専門医による医学監修をもとにした1336件の疾患情報データベースから、人工知能プログラムを用いた質問によって「疑いのある病気」を絞り込む。そこに、GPSの位置情報を使って、全国16万件の医療機関データベースの中から症状とロケーションに合った医療機関を紹介する。「気になる症状があるが、どの診療科を受診すべきかわからないとき」や「出先などの急な発症で、どこに医療機関があるのかわからないとき」などに便利だという。
今ある症状から、どの医療機関を受診すればよいか?ということに困ったことのある人は少なくないのではないでしょうか?
特に東京周辺では、診療所・病院が乱立し、ある意味選び放題です。
が、むしろ困りませんか?
そんなお悩みを解決しようという取り組み。
”アイセイ薬局は2015年8月25日、受診科判定アプリ「SearchDr.(サーチドクター)」の無料提供をスタートした。利用者の「症状」や「ロケーション」に適した医療機関を紹介するアプリ。対応OSはiOS7.0以降。
専門医による医学監修をもとにした1336件の疾患情報データベースから、人工知能プログラムを用いた質問によって「疑いのある病気」を絞り込む。そこに、GPSの位置情報を使って、全国16万件の医療機関データベースの中から症状とロケーションに合った医療機関を紹介する。「気になる症状があるが、どの診療科を受診すべきかわからないとき」や「出先などの急な発症で、どこに医療機関があるのかわからないとき」などに便利だという。
テレメディカが開発した疾患データベースを利用した鑑別疾患自動絞り込みシステム「パソノEX」を採用。利用者はiPhone、iPad、iPod touchで年齢を入力し、性別、気になる部位、あてはまる症状、それらに関する質問の回答をタップするだけ。病名の検索機能もある。”
いやはや、これ、すごいなぁと思いました。
年齢・性別・症状から、ある程度診断を予測して、適切な診療科を推定し、それを教えるだけではなく、その診療科を医療機関データベースから候補を探し出し、さらにGPS情報を活用して、その場所までの交通手段まで出してくれるとは、、、
現代の思いつく限りでのテクノロジーを集めている感じです。
すごいと思います。
が、
肝心なのは、「それ、どんだけ妥当な結果を提供できたの?」という点でしょう。
「適切な診療科を見つける」ということは、結構難しいことも少なくないと思います。
「適切な診療科を見つける」とは、本来、医者、とくにプライマリケア医の仕事です・・・。
上記に関連して、以下のような研究論文がつい最近出版されています。
Evaluation of symptom checkers for self diagnosis and triage: audit study
BMJ 2015
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=26157077
ネット上で症状を入れて、トリアージ(緊急性の判断)や診断をつけるサイトが欧米を中心に多数存在するようですが、その妥当性を評価した論文だそうです。
結論的には、やはりその精度はいまいちのようです。
まぁしかし、「適切な診療科を紹介すること」と「緊急性や診断を当てること」は、ちょっと違います。
イメージ的には、「適切な診療科を紹介すること」の方が、ゆるい推定でしょうから、それなりに妥当な結果も出せるかもしれません。
残念ながら現在の日本では、諸外国のように適切なプライマリケア制度(そのような医師の養成も含めて)が未発達・整備と言わざるを得ない状況です。
この問題は、医療サイドで、数年で解決するように私は思えませんが、特に関東周辺では、喫緊の課題でしょう。
医療サイドが解決できないなら、テクノロジーである程度解決する!というのも、医療の問題の解決法なのかもなぁと思いました。
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nanaochan
すごく便利なアプリですね!
今すぐ病院に行きたいときに調べてくれるのは助かります。東京の場合、予約しないと診てくれない病院、結構ありますから。
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