骨壊す細胞、宇宙で活性化…骨密度減対策に期待
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yomiDr(読売新聞) 2015.09.29 UPDATE
(2015年9月25日 yomiDr(読売新聞)より) 重力がほとんどない国際宇宙ステーション(ISS)で飼育したメダカは、骨を分解する「破骨細胞」の働きが強まり、骨密度が減少していたとする研究成果を、東京工業大の工藤明教授(骨生物学)らの研究チームがまとめた。 英科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文が掲載された。
無重力空間では骨に対する重力刺激がかかりませんので、骨量が減少することがよく知られていました。そのメカニズムとして、骨を分解する「破骨細胞」の働きが強まっていることが、メダカを用いた研究で示されました。
人の骨量は、破骨細胞と骨芽細胞の働きによって維持されています。すなわち、破骨細胞が古い骨を壊し、骨芽細胞が新しい骨を作ります。これを骨代謝と呼びます。破骨細胞はサイズが大きく、骨芽細胞は小さいため、破骨細胞が壊した分の骨を作るには長い時間がかかります。宇宙空間では破骨細胞の働きが強まり、骨芽細胞の働きが追いつかない結果、骨量が減少するのでしょう。
無重力である代わりに、運動の刺激によって骨量減少を抑えよう、という取り組みが進んでいます。自転車エルゴメータであれば、宇宙空間でも身体に負荷をかけることができます。ただ、メダカさんに自転車をこいでもらう訳にはいかないので、動物実験での検証は難しいかもしれませんね。
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たかはし
宇宙で、人間の骨に身体に、
どんな働きが促進されて、阻害されるのか、
興味あります
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