薬の説明、ネット購入者25%「理解できない」
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yomiDr(読売新聞) 2015.10.19 UPDATE
(2015年10月15日 yomiDr(読売新聞)より) 市販薬をネットで購入した人のうち、飲み方や副作用についてのメールによる説明を理解できなかった割合は4人に1人で、店舗で購入する場合の約3倍に上ることが、厚生労働省研究班の調査で明らかになった。研究班は理解度を上げる工夫が必要と指摘している。
情報の送り手が「相手意識を持つこと」が説明の質を高めます。店舗購入の場合は目の前にいる相手(お客)から、分からない部分を聞き返されるので、自然と相手を意識した説明になります。一方で、ネット販売の添付文書は、書き手の眼前に読者がいないので、相手意識が低い、分かりにくい文書になりがちです。
情報の受け手の頭は、特別な場合を除いて「エコモード」みたいなもので、頭を使う負担をできるだけ少なくしようとします。一方の情報の送り手側には、伝えようとしている「絵」が鮮明に見えていますが、「受け手にはその絵が見えていない」ということを、送り手は分かっていません。受け手・送り手の双方のこうした理由から、「説明が理解できない」(もしくは読む気にならない)ということになってしまいます。
分かりやすい文書をつくるために、「一文を短く」「平易な語彙で」「読みやすい文字の大きさで」「適度な余白」などのチェックポイントがありますが(例 CDC Clear Communication Index http://www.cdc.gov/ccindex/)、僕は「中学生でもスラスラ分かるか?」という視点が便利では、と思います。
「中学生」という相手のイメージは具体的なので、「これなら中学生に分かる(分からない)だろう」と、文書のチェックも具体的になるからです。
ちなみに、出版業界の定説みたいなもので、「中学生でもスラスラ読めること」は、書籍がミリオンセラーになる必須条件と言われます。『ハリー・ポッター』とかそうですよね。ジョン・グリシャム、ダン・ブラウンなど海外のベストセラー作家の多くは、中学1年生に合わせて書いているそうです。
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