箱根駅伝の視聴率と患者数調査の共通点
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yomiDr(読売新聞) 2016.01.12 UPDATE
(2016年1月8日 yomiDr(読売新聞)より) 明けましておめでとうございます。 今年も毎週エッセイをアップしていきますので、よろしくお願い申し上げます。 僕のお正月休みは特別ご報告することもなく、日頃できないような雑務をこなしたり、ちょっとのんびりしたりしてずっと東京で過ごしました。そんな時に見るお正月恒例の中継は箱根駅伝ですね。特段なにをすることもない正月らしい午前中は自然と駅伝を見ます。スポーツ中継ですから、録画をして早送りで、不要なところを飛ばしなが見るというスタイルは面白くなく、やっぱりライブで感動を味わいながら、そしてだいたい仕事をしながら、つまり原稿を書きながら自宅で観戦するタイプです。僕の友達の中には相当の箱根駅伝好きがいます。箱根に泊まって応援をすることにはまっている人もいれば、読売新聞社の近くで応援をする人もいます。それぞれの観戦スタイルで楽しめばいいですね。
一見関係なさそうな視聴率と患者調査について、標本調査(サンプル調査)と全数調査(悉皆調査)との違いをわかりやすく説明されているコラムです。
この記事を読んで、視聴率って結構誤差大きいなと思ってしまったのは私だけでしょうか(^_^;)視聴率ランキングをみていても僅差のものもあるので…まあ、それはさておき。
医療機関で実施される患者調査は様々な疾患を対象としているため全数調査では手間(とお金)がかかりすぎるため、標本調査の形式で把握されています。がんに関しては、1950年代からいくつかの都道府県において、その地域に住む全住民において発生したがんを登録して把握する全数調査、地域がん登録が行われてきました。今月(2016年1月)より、法律に基づいて、全国がん登録がスタートし、全国のがん患者さんをまさに全数把握する枠組みが開始しました。
本文中にあるように多くの医療情報は電子化されていますので「簡単に」様々な項目が全数把握できると思われるかもしれませんが、各医療機関が使用している医療情報システムは多様ですし、共通フォーマットで意図して収集していないため、生活習慣や使用薬剤、疾患、その後の経過などを容易に繋ぐことはできません。医療ビッグデータへの夢は広がりますが、課題は多いです。
しかし、がん登録や人口動態調査などの疾病発生や死亡のような結果に関してのきちんとした全数調査を基軸とし、様々な医療情報や標本調査の情報を共通IDで連結することができれば、医療分野におけるビッグデータを有意義なデータベースとすることが可能になるでしょう。そのようなことを実現するためにはマイナンバー制度の医療への導入や疫学研究に個人情報を利用することへの一般の方々の理解が必要です。
北欧諸国では既に実現されているこのような状況を参考に日本でもそのような仕組みづくりが進んでいくことを期待しています。
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