どんなに運動をしても、座りすぎの生活が糖尿病のリスクを高める
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HEALTH PRESS 2016.02.16 UPDATE
(2016年2月15日 HEALTH PRESSより) 座りすぎの生活は、肩こりや腰痛はもちろん、乳がんや心血管系の病気のリスクを高め、寿命にも影響しうることが、近年、いくつかの研究で示唆されている。当サイトでも、これまでに次のような記事を紹介してきた。 『2時間以上で5時間未満!? 健康によくないのはデスクワーク、それとも立ち仕事?』
「どんなに運動をしても、座りすぎの生活が糖尿病のリスクを高める」?!とても刺激的なタイトルですが、ちょっと言い過ぎな感じがします。実際の出典論文は以下です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26831300
この論文は、オランダ・マーストリヒトにおける座位行動と2型糖尿病との関連を検討した横断研究です。横断研究というのは、現在の座位行動と現在の2型糖尿病の有無との関連を検討する研究手法で、両者の関連性を調べることのできる研究手法です。ただし、座位行動が多かったから糖尿病になったのか、糖尿病だから座位行動が多くなったのかは分かりません。したがって、コホート研究と呼ばれる長期的な追跡研究や、介入研究と呼ばれる座位行動時間を短くさせるような実験的な研究のほうが、確からしさの度合いは強くなります。
研究結果から、座位時間が1時間長くなるごとに、2型糖尿病の人の割合が22%多くなるという関連が認められました。この関連は、強度の高い運動とは独立していた、ということです。この「独立していた」という意味は、「運動に意味がない」ということではなく、「運動をしている人でもしていない人でも、座位時間が長いと糖尿病の人が多い」ということを意味しています。運動をしていれば糖尿病のリスクは下がるけれども、座位時間が長いとそのリスクも残るので、できれば運動だけでなく、座位時間も短くできるように生活習慣を見直してみると良いですよ、というのが妥当な解釈だと思います。
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