進行がん患者の生存期間、自宅の方で死を迎える方がやや長い傾向に-筑波大

病気・医療

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favicons?domain=www.qlifepro 医療ニュース 2016.04.07 UPDATE

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筑波大学は4月1日、日本国内における多施設共同前向き研究で、自宅で最期を迎えたがん患者と病院で最期を迎えたがん患者の生存期間に違いがあるかについて検証を行い、その結果、自宅で最期を迎えたがん患者と病院で最期を迎えたがん患者の生存期間には、ほとんど違いがないか、自宅の方がやや長い傾向があることがわかったと発表した。

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坪谷透

東北大学大学院歯学研究科 助教、博士(医学)、医師

”筑波大学は4月1日、日本国内における多施設共同前向き研究で、自宅で最期を迎えたがん患者と病院で最期を迎えたがん患者の生存期間に違いがあるかについて検証を行い、その結果、自宅で最期を迎えたがん患者と病院で最期を迎えたがん患者の生存期間には、ほとんど違いがないか、自宅の方がやや長い傾向があることがわかったと発表した。”


友人もかかわっている研究です。私自身も、時々在宅診療にも関わっているため、この内容には関心があり、論文全文読みました。

論文の解説は、おおむね記事の通りだと思います。記事に言いすぎもないように感じます。

他、類似の記事
http://news.e-expo.net/world/2016/04/post-103.html

http://univ-journal.jp/6256/



他、記事や英語の論文には書いていないけど、この日本語の記事を見て、一般の人が大きく誤解するかもしれない点を加筆(私の感想)


1)
思ったほど、自宅で過ごすことは、生存期間に影響しないんですね。

私が自宅療養を高く見積もりすぎていただけかも?

決して、自宅の方が圧倒的に長生きするわけではないです。


2)
最大の言及されるべき(なのに論文で言及されていないと感じる)この研究の限界は、この知見の一般化可能性(この知見を一般化してよいか?)についてはかなり疑問があるという点だろう。

つまり、この研究に参加しているのは、(いわゆる)「意識高い系」の医療機関や在宅を行っているところだけである。

この知見を以って、日本中でどこでも病院と同じだけの質の高い在宅ケアが受けることができるとは言えないと思う。

つまり、住んでいる場所によって大きく左右されるのが、残念ながら日本の現状ということです。

3)
家族介護力(家族構成)が検討されていない点が、2群(自宅療養群、病院療養群)に偏りを生じさせているように感じる。

つまり、この知見を以って、家族の介護力がない患者まで自宅で療養しだしたら、生存期間は短くなるかもしれない?と感じる。

加えて上述の、自分が住んでいるところで、適切な在宅ケアしてくれる医者・看護師がいるのか?もあります。

この知見を以って、家族の介護力がない人まで在宅で療養することを強要されては困ると思う。

4)
対象は、いわゆる末期がんと診断された患者についてのみである。

末期ではないがんの患者や、非がん患者には当てはまらない。

末期がん患者は死期が早い(数日、数週間)が、そうではない人では、自宅療養期間が年単位となる人もいる。

そうなると、前述の家族介護力とも大きく関連してくる。

最近、家族介護で疲れて、暴行や殺害というニュースが少なくないですが、あれは私が知る限り、すべて、非末期がん(特に認知症)の介護でしょう。

非末期がんの介護は終わりが見えにくく大変だと感じます。

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