避難所の抗菌薬「9割不要」…石巻で8千人調査
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読売新聞 2016.06.13 UPDATE
東日本大震災後の宮城県石巻市の避難所で、被災者に処方された抗菌薬(抗生物質)の約9割が、症状に合わない不必要な処方だったとする研究結果を、神戸大や石巻赤十字病院などのチームがまとめた。
”東日本大震災後の宮城県石巻市の避難所で、被災者に処方された抗菌薬(抗生物質)の約9割が、症状に合わない不必要な処方だったとする研究結果を、神戸大や石巻赤十字病院などのチームがまとめた。”
私は、抗生物質はできるだけ処方すべきではないと信じているし、自分もそのような処方を心がけている医師のつもりですが、この記事について2点コメント。
1)「不要」というのは、おそらく一般的な状況(ガイドライン)からの知見に基づいた考えではないでしょうか。
ガイドラインは一般的な場合を想定しています。
震災後・食糧難・避難所・粉塵などを想定したものではないでしょう。
2)これは本発表に限らず学会発表を記事にしている記事一般について当てはまることですが、学会発表の内容とは、実際のところ、まったく間違ったこともあります。
なぜなら日本の医療系の学会発表は、発表される前に、内容について外部からの非常に厳しい評価を受けないまま発表しているものです。
一方、論文になるには、外部の複数の多くは匿名の研究者により、多くのコメントを受け、多数修正されたものが論文となります。
ですので、学会発表と論文発表では、その内容の妥当性は大きく異なります。
一般の方もぜひ、報道が、学会発表なのか、論文発表なのか、は気にしてください。
学会発表なら、「あ、学会発表ね」で聞き流してください。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160611-OYT1T50043.html
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