乳がん、「マンモ+超音波」で発見率1・5倍に
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yomiDr(読売新聞) 2015.11.09 UPDATE
(2015年11月6日 yomiDr(読売新聞)より) 乳がん検診で乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)に超音波検査を加えると、40歳代女性ではマンモ単独よりがんの発見率が1・5倍に高まるという調査結果を、東北大の大内憲明教授らの研究グループがまとめ、5日、英医学誌「ランセット」電子版に発表した。
現在、厚生労働省が推奨する乳がん検診はマンモグラフィー単独(40-74歳)またはマンモグラフィーと視触診との併用(40-64歳)で、多くの市町村で実施されています。
一方、若い方に多い乳腺密度が高い女性におけるマンモグラフィ検査による「見落とし」を減らせるかどうかを判断する目的で超音波検査による乳がん検診を併用する検診に関しての比較研究が行われました。
今回、発表された結果は、あくまでも、マンモグラフィ単独による検診と比べて、マンモグラフィと超音波検査を併用した検診の方が「多くのがんを発見した」という結果です。つまり、見落とし(偽陰性)を少なく出来るという結果です。しかしながら、見落としを少なくすると、がんでないのに陽性と判断してしまう「偽陽性」を増やしてしまうというトレードオフの関係にあります。この「偽陽性」も検診の不利益の一つであることはよく知っておいて欲しいことです。
(検診の利益・不利益について:http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/examination/examination1.html#merit)
記事中に、「大規模研究で超音波検査の有効性を明確に示したのは世界で初めてという。」という記載がありますが、今回の研究では、超音波検査を併用した方が精度良く乳がんを診断できることを証明したのであって、「超音波検査による乳がん検診の有効性」の評価をしたとはいえないと思います。
がん検診の有効性はそのがんで死亡する人を減らせるかどうか(乳がん死亡率の減少)で評価します。今後、この研究対象者をあと10年以上追跡してはじめてその結果がわかります。
がん検診の有効性評価に関して、詳しくは以下のページを参考にして下さい。
http://canscreen.ncc.go.jp/kangae/kangae.html
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