PM2.5基準超える予測 病気の人へマスク着用呼びかけ 福岡市

健康・予防

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favicons?domain=www.asahi 朝日新聞デジタル(アピタル) 2016.01.06 UPDATE

(2016年1月5日 朝日新聞デジタル(アピタル)より) 福岡市は5日、微小粒子状物質PM2・5の1日の平均値が国の環境基準(1立方メートルあたり35マイクログラム以下)を超え、同40・0マイクログラムになるとの予測を発表した。呼吸器系疾患などがある人に外出時のマスク着用などを呼びかけている。

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大西一成

聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科 准教授  博士(医学) 環境疫学 公衆衛生学

 1月4日と1月5日に、九州・山陰をはじめとして、日本各地で中国大陸由来の大気汚染物質が越境し、PM2.5の高値が記録されました。それについて、市町村レベルでの注意喚起の呼びかけが行われたというニュースです。

 もともと福岡市は、市町村で初めて黄砂予報を始めた地域です。また、九州大学の大気エアロゾルモデルを研究されている先生方の貢献により、越境大気汚染予測、告知に力を入れて取り組んでいる地域です。

 今回のPM2.5の基準を超えたのは、福岡市だけではないということを念頭に置くことが大切です。本来であれば、他の市町村においてもこのような対応を毅然と行われるべきでありますが、その情報の扱いの難しさから躊躇されている様子がうかがえます。

 九州では一時間値で1立方メートルあたり100マイクログラム、山陰では70マイクログラムを超える値が記録されています。
 北京の1立方メートルあたり300や1立方メートルあたり1000マイクログラムに比べると少ないので大丈夫と言われることもありますが、北京の値が尋常ではないことと、環境基準値が1立方メートルあたり25マイクログラムに設定されていることより、1立方メートルあたり50という値は、決して安心できる値ではありません。ましてや、今回の汚染は、排出規制や処理が不十分な排出物である越境汚染物質は主成分だったため、多くの方がせきやくしゃみなどの体調の不具合を感じられたようです。

 個人の対策としてマスク着用の呼びかけは良いのですが、ここ最近のドラッグストアに置いてあるマスクは、PM2.5対策ということよりか、「肌が潤うマスク」「できる男のマスク」「小顔マスク」などが散見しマスクに対する価値観が変化している状況が伺えます。日本文化の特徴というべきでしょうか、その種類の豊富さは、素晴らしく、購入することに異存はありません。しかし、本来の目的を押さえておく必要があります。
 実際にPM2.5を99%カットと記載してあっても、それはフィルター自体の性能のことであり、実際に着用した時の漏れを99%防ぐものではありません。99%カットと記載してあっても「粒子の取り込みを防ぐものではありません」とパッケージには小さく記載してあります。衛生マスクではなく防塵マスクを選ばなければいけません。

 病気の方へマスクの着用を呼びかける際は、粒子の取り込みを防ぐ正しいマスクを選択すること、自分の骨格にフィットしているのかチェックを行うことを同時に啓発し知識を提供する必要があります。

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